協議離婚とは、夫婦の合意と役所への離婚届の提出による婚姻の解消、離婚をいいます。
詳しい説明
1.協議離婚とは、婚姻関係の解消・離婚方法の1つであり、当事者夫婦の合意と、役所への離婚届(成人2名の証人が必要)の提出によって、離婚が成立します。
2.協議離婚における離婚意思
協議離婚は、夫婦が離婚に合意すること、すなわち、夫婦双方に、婚姻関係を解消する意思・離婚意思が必要です。
離婚意思は、判例・実務上、戸籍上の夫婦関係を解消する意思(形式的意思)で足り、夫婦共同生活を解消する意思(実質的意思)までは不要とされています。
生活保護の不正受給目的でした離婚も、戸籍上の夫婦関係を解消する意思が認められ、有効な離婚であるとした裁判例があります。
詐欺や脅迫によって離婚に合意し、離婚届を提出した場合、離婚の取り消しを家庭裁判所に求めることができます。ただし、詐欺を発見し、又は脅迫を免れたから3ヶ月経過した場合、離婚を追認した場合は、取り消しを請求できなくなります。
なお、離婚意思は、離婚届を作成するときだけでなく、離婚届を提出するときにも存在している必要があります。
3.協議離婚における離婚届
離婚届を役所へ提出することは、協議離婚の成立要件です(創設的届出)。
この点、離婚が成立したことを報告し、それを戸籍に反映させるために、調停離婚や裁判離婚の際に離婚届が提出されるのとは異なります(報告的届出)。
4.離婚届の作成と提出
協議離婚する場合、離婚届には、当事者双方及び成人の証人2人以上が署名押印する必要があります。
また、夫婦に未成年の子がいる場合には、子の親権者を定めて届出をしなければ、離婚届は受理されません。
なお、離婚届は、本籍地以外の市区町村役場に提出することも可能ですが、その場合、夫婦の戸籍謄本が必要となります。F
関連条文
民法 763条 764条・747条 765条 766条
関連事件 離婚問題