名誉毀損には、刑事上の名誉毀損と民事上の名誉毀損があります。
刑事上の名誉毀損は、犯罪の一つであり、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損」することをいいます(刑法230条2項)。公然と事実を摘示するとは、不特定・多数人に対して、事実を述べることをいいます。人の名誉を毀損するとは、人の客観的な社会的評価を落とすような事実を述べることをいいます(実際に客観的な社会的評価が落ちたか否かは問われません)。
民事上の名誉毀損は、損害賠償請求や差止請求の対象となります。損害賠償請求の場合は、不法行為が成立することが必要です。不法行為が成立するためには、基本的に、刑事上と同様に、客観的な社会的評価を落とすような事実を述べたことが必要です。差止請求の場合には、事後的な損害賠償請求よりも、要件が加重されます。
関連用語 不法行為、差止
関連問題 紛争解決、刑事弁護