被害届とは、犯罪の被害者が、警察や検察などの捜査機関に対し、犯罪に遭った被害の事実を申告する書面をいいます。
また、このように、犯罪被害の事実を捜査機関に申告することを、”被害届を出す”などといいます。
被害届の提出により、捜査機関に犯罪事実を知らせ、捜査を開始してもらうきっかけになることがあります(「捜査の端緒」とよばれています。)。
他方、被害届の濫発等による弊害を防ぐためなど、捜査機関側が被害届の受理に慎重になることも多いです。
被害届に定型的な書式はありません。多くの場合、警察官が被害者から事情を聴取の上作成し、被害者が署名捺印することで作成されることが多いです。
警察に提出された被害届は、捜査資料として利用されるほか、刑事裁判で書証・証拠としても利用されることがあります。
一度提出した被害届を取り下げることは可能です。
ですが、被害届の提出は、犯罪被害の事実を申告することですから、このような申告を行ったこと自体をなかったことにする法的効果はありません。
被害者が被害届を取り下げたという事実が、検察官の起訴・不起訴や、刑事裁判における量刑事実の判断に影響を及ぼす情状事実となります。
関連問題 刑事弁護、刑事事件
名古屋エリア(愛知、岐阜、三重)の刑事事件の弁護・法律相談をご検討方、名古屋駅前の弁護士法人中部法律事務所刑事事件の弁護士相談サイトをご覧下さい。