親告罪とは、公訴の提起に、犯罪の被害者及びその法定代理人など被害者と一定の身分関係にある者(告訴権者)からの告訴があることが必要条件とされるている犯罪のことを言います。
すなわち、親告罪では、被害者などの告訴権者が、捜査機関に対して被害事実の申告と犯人の処罰を求める意思表示をした場合に限り、起訴されることになります。
犯罪の性質、被害者の感情などを考慮し、犯罪ごとに個別に「告訴がなければ公訴を提起することができない」などと規定されています。
例えば、強制わいせつ事件、強姦事件などの性犯罪事件については、刑事裁判がなされることで被害者がより負担を被る恐れがあるため、親告罪とされています。
また、親族間の窃盗などの財産事件については、親族同士での解決が期待されていることから、親告罪とされています。
さらに、器物損壊罪は比較的軽微な犯罪であることから、親告罪とされています。
親告罪は、告訴がないと公訴の提起が出来ないのであり、犯罪の捜査は行われることがあります。
一度行った告訴は、起訴前であれば取り下げることができますが、起訴後は取り下げることができません(刑事訴訟法237条第1項)。
起訴前に告訴が取り下げられれば、不起訴となります。
親告罪について、告訴がないのに起訴された場合、判決により公訴棄却されます(同法338条4号)。
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