不動産賃貸借契約における一時金（いちじきん）とは、賃料とは別に、借主から貸主対してに支払われる金銭のことをいいます。
　一時金の名称・性質には、地域差や商慣習による違いがあるため、同じ名称でも性質が異なる場合があります。したがって、賃貸借契約時に、退去時に返還されるのか、あるいはそうでないのか、一部償却されるのかどうか、といった点を十分確認することが重要です。
　一時金の名称・種類は、一般的に敷金、礼金、保証金、権利金、更新料といったものがあります。そして前述のとおり、その性質として「預かり金」として退去時に返却されるものと、「賃料の前払い」的なものとして退去時に返還されないもの、一部償却されるものがあります。
　また、一時金は地域の商慣習が反映されることが多いことも特徴です。例えば、「礼金」は、借主が大家さんに対して、住居を借りる際のお礼として渡していた慣習が一般化したものといわれています。そういった慣習がなかった地域では、礼金というものがなかった、ということになります。ただし、近年では地域の慣習よりも個々の貸主の判断によって内容が決められているケースが多いといえます。

関連問題　不動産トラブル　建物明け渡し