在宅事件とは、被疑者や被告人が逮捕や勾留など身柄拘束されないまま、捜査機関による捜査や刑事裁判が進められる刑事事件をいいます。
ある犯罪が発生した場合に、犯罪事実について犯人と疑わしい者や犯人と判明している者がいても、捜査機関が、常に被疑者を逮捕・勾留するとは限りません。
逮捕の必要性(刑事訴訟規則143条の3)を欠いている場合や、勾留理由(刑事訴訟法60条)がない場合に、逮捕・勾留できないことは当然ですが、犯罪の捜査は、逮捕や勾留などの強制捜査・強制処分ではなく、出来る限り任意に行われるべきとされているためです(任意捜査の原則)。
在宅事件で被疑者を取り調べる場合、捜査機関から被疑者に対して、電話連絡や呼び出し、出頭要請があるのが一般的です。このような要請に対して、連絡を絶ったり、呼び出しを無視するなど誠実な対応しないでいると、逃亡・罪証隠滅のおそれがあるなどとして、逮捕・勾留など身柄拘束に至ることがあるので、注意が必要です。
なお、在宅事件に対し、被疑者が逮捕や勾留など身柄拘束されて捜査機関による捜査が行われる刑事事件のことを、身柄事件といいます。
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