執行猶予とは、刑の言い渡しはするけれども、情状等によって、その刑の全部又は一部の執行を、一定期間猶予する制度をいいます。
一部執行猶予とは、言い渡された刑の一部の執行が猶予されることをいいます。
一部執行猶予に対し、刑の全部の執行が猶予されることを、全部執行猶予といいます。
全部執行猶予では、刑の全部の執行が猶予されるため、懲役や禁固刑の言い渡しを受けても、勾留されていた被告人はすぐに釈放されることになります。
全部執行猶予では、刑の全部の執行が猶予されるため、懲役や禁固刑の言い渡しを受けても、勾留されていた被告人はすぐに釈放されることになります。
他方、一部執行猶予は、言い渡された刑の一部の執行が猶予されるにとどまるため、全部執行猶予の場合と異なり、懲役刑や禁固刑の言い渡された場合、勾留されていた被告人は、すぐに釈放されません。
まず、猶予されなかった刑の一部が執行され、猶予されなかった刑の執行を終えた後、執行猶予期間が始まることになります。
まず、猶予されなかった刑の一部が執行され、猶予されなかった刑の執行を終えた後、執行猶予期間が始まることになります。
一部執行猶予の期間は、1年以上5年以下の範囲内で定められます(刑法第27条の2)。
守らなければならない事項を守り、執行猶予が取り消されることなく執行猶予期間を満了した場合、すでに執行を終えた部分まで、刑が減軽されます(同法第27条の7)。
守らなければならない事項を守り、執行猶予が取り消されることなく執行猶予期間を満了した場合、すでに執行を終えた部分まで、刑が減軽されます(同法第27条の7)。
なお、この一部執行猶予は、刑法改正及び薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律の制定を受けて、2016年から運用が開始された制度です。
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