緊急逮捕とは、急速を要するため、裁判官の逮捕状発布を待っていることが出来ない場合に、逮捕状の発布を受ける前に、理由を告げて被疑者を逮捕することをいいます。
被疑者の逮捕は、現行犯である場合を除いて、裁判官が発布した逮捕状をもって逮捕するのが原則です(令状主義とよばれています。憲法第33条「何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。」)
けれど、犯人・被疑者逮捕に際し、逮捕状の発布を待っていられない急速を要する事態が有り得るため、令状主義の例外として、緊急逮捕が認められています。
ただし、令状主義という重大な原則の例外ですから、緊急逮捕するには、次のような、法の定める厳格な要件を満たしている必要があります。
●死刑、無期又は長期3年以上の懲役・禁固に当たる事件であること(一定の重罪事件)
●犯罪を起こしたこと疑うに足りる十分な理由があること(嫌疑の濃厚性)
●急速を要すること(逮捕状の発布を待っていられないほどの緊急性)
●逮捕後、直ちに逮捕状を請求し、逮捕状が発布されない場合は直ちに釈放すること(事後的な令状主義の担保)
逮捕後は、逮捕後の被疑事実告知、弁護人選任権告知、弁解録取などの手続き、送致、勾留請求までの時間制限など、逮捕状による通常の逮捕の場合と同様の手続き、制限を受けることになります。
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