執行猶予とは、刑の言い渡しはするけれども、情状等によって、その刑の全部又は一部の執行を、一定期間猶予する制度をいいます。
全部執行猶予とは、言い渡された刑の全部の執行が猶予されることをいいます。
執行猶予は有罪判決の1つで、判決の主文で言い渡され、執行猶予が付された判決を執行猶予付き判決などと呼びます。
執行猶予付き判決に対し、執行猶予が付かない判決(判決に従い刑が執行(実行)される判決)は、実刑判決と呼ばれます。
また、全部執行猶予に対し、刑の一部の執行を猶予することを、一部執行猶予といいます。
全部執行猶予の期間は、1年以上5年以下の範囲内で定められます(刑法第25条)。
守らなければならない事項を守り、執行猶予が取り消されることなく執行猶予期間を満了した場合、刑の言い渡しは効力を失います(同法第27条)。
執行猶予期間中に、再び犯罪を犯しても、再度の執行猶予が付される場合もあります(同第25条2項)が、条件は厳しく、必ず保護観察が付きます(同法第25条の2)。
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