法人の債務整理について、解説します。
法人の債務整理の方法
債務整理とは、借金などの債務を減らすための手続きをいいます。
法人の債務整理の代表的な方法としては、民事再生、会社更生、破産、特別清算、私的整理(任意整理)の5つが挙げられるでしょう。そのほかにも、事業再生ADR、中小企業再生支援協議会による再生支援などもあります。
再建型と清算型
法人の債務整理は、大きく再建型と清算型に分けられます。
再建型は、傾いた経営を債務整理によって再建し、事業を存続することを目指す手続きです。民事再生、会社更生がこのタイプです。
清算型は、債務整理によって、事業を解散、清算するための手続きです。自己破産、特別清算がこのタイプです。
私的整理(任意整理)は、事業の再生・再建のために行われる場合と、事業の解散・清算のために行われる場合と両方あります。
法人の債務整理-再建型-
【民事再生】
中小企業が利用することを念頭においた、会社を再生・再建するための裁判手続きで、原則として、経営陣は経営権を失いません。
債権者の過半数及び過半額の同意、裁判所の認可を得て、既存の債務を大幅にカットし、事業継続・再生を図ります。
民事再生手続きをとっても、抵当権など担保権の行使が制限されません。事業継続のために必要な事業資産に抵当権などの担保権が設定されている場合、抵当権者らと担保権を行使しない旨の合意を取り付ける必要があります。
【会社更生】
大企業(株式会社)が利用することを念頭においた、会社を再生・再建するための裁判手続きで、原則として、経営陣は退陣、交代します。
会社更生手続きは、抵当権など担保権の行使も制限する、非常に強力な手続きです。
既存債務の大幅なカットを受けるためには、債権者の過半額の同意及び抵当権等の担保権を有する債権者の債権総額の4分の3以上の同意が必要です。
法人の債務整理-清算型-
【破産】
会社が、債務超過または支払い不能の状況にある場合に、会社を破産し(すべての財産を処分・換価し、債権者に配当)、会社を消滅させる裁判手続きです。
破産について、債権者の同意は不要です。
【特別清算】
清算中の会社で、債務超過の疑いがある会社を清算するための裁判手続きです。特別清算には、一定の債権者(出席債権者の過半数かつ総債権額 3分の2以上)の同意が必要であるため、破産手続きに比べて、債権者の数が少なく、同意が見込めるなどの場合に利用されます。
※清算中の会社とは:会社の清算は、①会社の解散、②会社の清算という手続きを経ます。清算中の会社とは、①会社が解散した後、②の手続き中の会社をいいます。【業務案内:●会社清算を参照下さい】
法人の私的整理(任意整理)
各債権者と個別に交渉し、事業の再建または清算を行う手続きです。
個別の交渉により、弁済期の猶予や債権放棄など、柔軟な対応が期待できますが、決まった手続きや強制力はなく、債権者の協力が必要です。
当事務所では、再建型の債務整理として中小企業を念頭においた手続きである民事再生、清算型の債務整理として自己破産及び特別清算(会社清算)に積極的に取り組み、経験・実績・解決事例があります。
各詳細は、業務案内(●法人破産 ●民事再生 ●会社清算)でもご確認いただけます。愛知・岐阜・三重など、名古屋エリアの中小企業の皆様で、会社経営の再建を図りたい方、破産・清算を検討している方は、名古屋駅前徒歩4分の中部法律事務所までご相談をお寄せ下さい。