メニュー

名古屋の弁護士コラム

名古屋駅前の弁護士法人中部法律事務所 > 名古屋の弁護士コラム > 名古屋事務所コラム > 相続財産をもらわない場合の注意点(平成25年8月21日)

相続財産をもらわない場合の注意点(平成25年8月21日)

 相続人であっても、相続財産に関心がない、あるいは関わり合いたくない、などの理由で遺産相続を放棄される方がいます。

 

 遺産相続を放棄する場合には、大まかには2つの方法があります。1つは、家庭裁判所に相続放棄の申述(申立て)を行う方法です。もう1つは、自分が取得する相続財産がないことなどを内容とする遺産分割協議書などに署名捺印して、印鑑証明書を提出する方法です。それぞれ意味合いが全く異なります。

 

 1つ目の家庭裁判所への相続放棄申述(申立て)は、相続人たる地位そのものを放棄する手続です。したがって、相続放棄が正式に受理されると、法律上初めから相続人ではなかった扱いとなります。その結果、プラスの相続財産のみならず、借金などマイナスの財産の相続をすることもありません。また、配偶者や子どもなど第一順位の相続人が全て相続放棄をすると、親などの第二順位の方が相続人となります。

 

 2つ目の遺産分割協議書などへの署名捺印は、相続人間で財産を分け合うための合意書です。したがって、自分が取得する財産がないことなどを内容とする協議書に署名捺印すれば、確定的にプラスの財産を取得することはできません。

 

 しかしながら、借金などのマイナスの財産については、相続人間の合意で誰が引き継ぐかを合意したとしても、それはあくまで内輪の話であって、債権者の側からは法定相続分にしたがって請求を受けます。すなわち、対債権者では合意内容は意味をなさないということになります。

 

 このように、それぞれ法律上の効果が異なる手続ですので、相続財産をもらわない相続人は、少しでもマイナスの財産が存在する可能性があるのであれば、家庭裁判所に相続放棄の申述(申立て)を行うことをお勧めします。

 

 なお、この家庭裁判所に対する相続放棄の申述(申立て)は、原則として相続の開始を知ったときから3ヶ月以内とされていますので、不明な場合は早めに弁護士などの専門家に相談したほうがよいかと思います。

 

 名古屋駅前の弁護士法人中部法律事務所では、相続放棄や遺産相続に関する相談は無料で行っていますので、お気軽にご相談ください。

 

(司法書士 尾﨑政友)

ご利用にあたっての注意事項

● 記載内容には正確を期しておりますが、執筆日以降の法改正等により内容に誤りが生じる場合もございます。当事務所は、本記事の内容の正確性についていかなる保証をもいたしません。万一、本記事のご利用により閲覧者様または第三者に損害が発生した場合においても、当事務所は一切の責任を負いません。
● 本記事の著作権は当事務所に帰属します。テキスト・画像を問わず、SNS等への本記事の無断転載・引用を禁止します。また、本記事の商用利用および訴訟等へ提出する証拠としての利用を禁止します。
● 当事務所は、本記事を予告なしに変更または削除する場合があります。
● 本記事の内容に関するお問い合わせやご質問には応じられません。

名古屋事務所
春日井事務所
ご相談をお考えの方へ
対応エリア
対応エリア

●名古屋市内

(千種区・東区・北区・西区・中村区・中区・昭和区・瑞穂区・熱田区・中川区・港区・南区・守山区・緑区・名東区・天白区)

●愛知県全域

(一宮市、瀬戸市、春日井市、半田市、豊橋市、岡崎市、豊川市、津島市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、蒲郡市、犬山市、常滑市、江南市、小牧市、稲沢市、新城市、東海市、大府市、知多市、知立市、尾張旭市、高浜市、岩倉市、豊明市、日進市、田原市、愛西市、清須市、北名古屋市、弥冨市、みよし市、あま市、長久手市、愛知郡東郷町、丹羽郡、海部郡、知多郡、額田郡幸田町)

ページ上部へ