メニュー

名古屋の弁護士コラム

名古屋駅前の弁護士法人中部法律事務所 > 名古屋の弁護士コラム > 名古屋事務所コラム > 土地の面積が、登記簿と実測で異なる原因(平成25年7月23日)

土地の面積が、登記簿と実測で異なる原因(平成25年7月23日)

 土地の面積は、しばしば登記簿と実測で異なります。例えば、登記簿上は120.35㎡となっていても、実際に測量してみると、131.21㎡だったりします。もちろん、少なくなる場合もあります。

 

 このようなことはなぜ起こるのでしょうか。

 

 理由として、登記簿の面積の由来が挙げられます。そもそも登記簿の土地面積は、明治政府が行った地租改正の際に測量された結果が承継されています。具体的には、地租改正の際に作成された地券台帳が土地台帳に引き継がれ、土地台帳と登記簿が一元化される際に土地台帳の記載が登記簿に移記されました。

 

 当時の測量技術が未熟だったことや、面積に応じて課税されるために過少申告が行われたことなどが、面積の相違の原因と言われています(もちろん地域や場所にもよるでしょうが)。過少申告説が本当かどうかはわかりませんが、実際の測量の結果としては、実測すると面積が増えることのほうが多いようです。

 

 なお、地租改正とは、明治政府が行った土地制度の改革で、地券(「ちけん」現在の権利書のようなもので、取引は地券に基づいて行われました)を発行して土地の所有者を確定し、その所有者に納税義務を課すとともに、課税の基準を従来の土地の収穫量から地価に改め、税金を物納(米など)から金納(税金)に移行するものです(国土交通省HPより)。

 

 土地の取引では、最近測量が行われた場所を除いて、通常は測量をした上で売買します。売買価格を登記簿面積で算定し、実測との違いを精算するかどうかはケースによりますが、買主が土地の活用をする上では正確な測量結果が必要ですし、越境物などの有無の確認もされます。

 

 近年の測量では、最新のGPSを使った測量も増えています。GPS測量とは、GPS電波を利用して、土地が日本のどこにあるのかを、緯度・経度で特定するものです。したがって、GPS測量がされた土地では、仮に崖崩れや工事により、境界杭(隣地との境界ポイントに埋め込まれる杭)が失われても、境界を正確に復元でき、面積も正確です。

 

 余談ですが、地震による地殻変動に伴い、広範囲にわたって地表面が水平移動した場合には、土地の筆界(公図などに記載されている公法上の境界のこと)も相対的に移動したものとして取り扱うようです。(兵庫県南部地震による土地の水平地殻変動につき、平成7年3月9日民三第2589号民事局長回答)

 

(司法書士 尾﨑政友)

ご利用にあたっての注意事項

● 記載内容には正確を期しておりますが、執筆日以降の法改正等により内容に誤りが生じる場合もございます。当事務所は、本記事の内容の正確性についていかなる保証をもいたしません。万一、本記事のご利用により閲覧者様または第三者に損害が発生した場合においても、当事務所は一切の責任を負いません。
● 本記事の著作権は当事務所に帰属します。テキスト・画像を問わず、SNS等への本記事の無断転載・引用を禁止します。また、本記事の商用利用および訴訟等へ提出する証拠としての利用を禁止します。
● 当事務所は、本記事を予告なしに変更または削除する場合があります。
● 本記事の内容に関するお問い合わせやご質問には応じられません。

名古屋事務所
春日井事務所
ご相談をお考えの方へ
対応エリア
対応エリア

●名古屋市内

(千種区・東区・北区・西区・中村区・中区・昭和区・瑞穂区・熱田区・中川区・港区・南区・守山区・緑区・名東区・天白区)

●愛知県全域

(一宮市、瀬戸市、春日井市、半田市、豊橋市、岡崎市、豊川市、津島市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、蒲郡市、犬山市、常滑市、江南市、小牧市、稲沢市、新城市、東海市、大府市、知多市、知立市、尾張旭市、高浜市、岩倉市、豊明市、日進市、田原市、愛西市、清須市、北名古屋市、弥冨市、みよし市、あま市、長久手市、愛知郡東郷町、丹羽郡、海部郡、知多郡、額田郡幸田町)

ページ上部へ